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ノース・ヒルでは、毎月1回、
デジタルマーケティングの専門家、
田実 日出翁先生をお招きし、社内セミナーを開催しています。

スタッフのデジタルマーケティングのレベルを高めることを目的に、
毎月テーマを変えて、仕事に役立つ情報を提供しています。

先月は世界中で話題のChatGPTをテーマにお届けしましたが、
今月のテーマは「生成AI」です。

Microsoft、Google、METAが開発するAI

ChatGPTが注目を集める中、アメリカのメガIT企業もさまざまな生成AIを発表。今回のセミナーでは、進化の止まらない、これらのAIツールについて学びました。

■Bing AI
マイクロソフトが提供する検索エンジンBingに、新しく搭載されたチャット型のAIです。
AIと会話できるだけでなく、ウェブ上にある最新情報を人間の代わりにAIが検索しながら質問に答えてくれるのが特徴。
チャットとの会話スタイルは、「創造的」「バランス」「厳密」の3種類から選ぶことができ、それぞれ回答の雰囲気が少しずつ違います。
「創造的」は気を利かせて関連情報を補足。「厳密」は聞いた情報だけをコンパクトに回答。「バランス」はその中間といった感じです。実際に試してみると、少しずつ回答が違うので、状況によって使い分けられます。回答には情報ソースとなるページのリンクも付いているので出典元も確認できます。
また画像を添付して質問もできますし、逆に回答の際に画像や動画を添付してもらうこともできます。

■Google Bard
Googleが開発した大規模言語モデル「PaLM2」が活用されている対話型Alサービス。2023年5月には日本語にも対応しました。
Bardは、複数の回答案を出してくれたり、質問を後から修正できたり、回答を保存することもできます。
他にも、英語のみですが画像検索にも対応。例えば「猫の画像が欲しい」と呼びかけると、 Bard 上で画像を表示してくれます。
またGoogleならではの位置情報とも連携でき、端末の位置情報を Google Bard に許可すると、より関連性の高い回答も得られます。今後はGmailやスプレッドシートなどGoogleのツールにも統合され、さまざまな機能が使えるということです。

■META
Meta社は7月14日(米国時間)、テキストから画像生成と、画像からテキスト生成に対応したAIモデル「CM3leon(カメレオン)」を発表。また7月18日(現地時間)には、大規模言語モデル「Llama 2」を発表。無料かつ商用利用も可能で、最大サイズ700億パラメーターモデルは「ChatGPT(3月1日版)と互角」とのこと。
その他にも、アメリカの新興検索エンジン・ユードットコムが開発した「YouChat」や、元Googleのエンジニアが開発した「Character.AI」など、チャット型AIについて説明がありました。 しばらくはメガIT企業によるAI開発競争も激化していきそうですね。

文章も画像もAIが作ってくれる

キャッチコピーの作成や文章の作成、メールの文面やプレゼン資料の作成、文章の校正や校閲などができる、さまざまなツールが登場しています。さらに小説を書いてくれるAIも登場したとのこと。すごい!

日本企業が開発したツールもあり、セミナーでは多彩なツールについてご紹介いただきました。有料のツールも多いのですが、広告文の作成にも活かせそうなので、今後は活用を検討してもいいのかなあと思いました。

また、さまざまな画像生成AIも登場しています。Open Al社が提供している「DALL・E2」は、画像のイメージをテキスト入力するだけで簡単に複数のオリジナル画像を生成。Adobeがクリエイターに向けて開発した「Adobe Firefly」は、画像生成のほか、テキストにエフェクトをかけたり、ベクターアートを再配色できる機能もあります。他にも様々な生成AIについてご紹介いただきました。

中でも、人物の顔を生成できるAI「Random Face Generator」は、まるで実在するかのようなリアルな人の顔を生成することができ、有料プランでは解像度も高くなり、商用利用も可能とのこと。

まだツールによっては精度が高いとは言えないものもありますが、あっという間に高精度になり、広告クリエイターなどは自由に画像素材を作成できる時代がくることは間違いないと思います。

デザインも動画もAIが作ってくれる

企業やサービスのロゴ、商品パッケージのデザイン、そしてウェブサイトまで作ることができるAIが登場しています。まだディテールについては甘いところがあるものの、ウェブサイトのベースをAIで作り、人間がカスタマイズしていくと完成度の高いサイトに仕上げることもできそう。

まだ精度については人間がつくるものの方が高いと思いますが、いずれウェブサイト自体がAI化し、中長期的にテーマを与えると、サイト自身が目的に向けて自動で進化する、そんなサイトも近い将来に誕生しそうな予感です。

また、ブログ記事などから音声付きの動画を生成できるサービスも登場しています。

数百万点の画像や映像、BGMの中から、ブログ記事に合わせた関連ビジュアルを配置したり、合成音声のナレーションや字幕も付けられます。実際にAIで生成した動画を見ましたが、まだまだクオリティは低いと感じました。ただ、現段階でここまでできていると、人間が作ったクオリティの高い動画について機械学習させたら、進化のスピードは格段に速くなるのではないかと想像します。

その他、入力したテキストを自然な発音で音声化するボイスジェネレーターや、楽曲を生成するAI、人間が指定したテキストをアバターが話してくれるAIなど、さまざまなツールが登場しています。

これからの将来、クリエイターに必要な能力は、AIを上手くディレクションできる能力と、課題設定能力、そしてウェブや動画など、媒体にとらわれず横断的にクリエイティブの品質コントロールができる能力ではないかと思います。

さらに世の中が進化して、メタバースなどの仮想空間が発展していくと、例えばメタバース上で、デザイン、アバター、都市などが自動で生成されるようになり、無限に発展していく世界の生成も可能ではないかと期待しています。またその空間に存在する人間も、本当に人間なのかAIなのか、会話をするだけでは区別がつかなくなる未来が来ると思います。AI技術が縦軸への進化と横軸への融合が進むと、本当にSFのような世界がくるかもしれませんね。

その他にもAIが組み込まれたMAツールや、生成AIを活用した企業や行政の事例などをご紹介いただき、ワクワクする内容でした。

次回は、「ウェブ解析士合格講座」です。当社でも、ウェブ解析士という資格をすでに持っているスタッフもいますが、年内に資格獲得に挑戦するスタッフが何人かいます。次回のセミナーを機に合格へ近づいて欲しいですね。お楽しみに!

<田実先生のプロフィール>
田実 日出翁(たじつ ひでお) ウェブ解析士マスター。総合広告代理店で約30年もマスマーケティングとWebマーケティングのプランナーとして従事し、2018年ウェブアクセル合同会社を創業。マスとWebの両方に通じているマーケティングプランナーとして、「お客様の成果にコミットする」をモットーに、戦略立案から制作・運用・解析、人材育成まで幅広く活動。大手広告代理店や大手新聞社など、数多くの企業でセミナー講師を務めている。ノース・ヒル顧問。

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