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社内で毎月開催しているデジタルマーケティングセミナーの今月のテーマは「ウェブ解析士資格試験」について。ウェブ解析士マスターの資格を持つ田実先生に、試験概要から出題範囲、勉強の進め方などについて解説いただきました。

ウェブ解析士って何?

まずウェブ解析士の仕事・役割について。

ウェブ解析士というのは、「Google アナリティクスなどを使って、ホームページのデータを解析する人でしょ?」と思われがちです。

確かにサイトの解析も仕事の1つではありますが、ほんの一部分に過ぎません。

ウェブ解析士は、データの裏側にあるユーザーの心理や行動を理解すること、そしてインターネットを通して自社やクライアントの事業の成果(売上や利益)に貢献することが一番の仕事になります。

例えば、ビジネスフレームワーク等でよく登場する、PEST分析、5フォース分析、3C分析、SWOT分析など、マーケターとして必要なスキルを身に付け、さらにユーザー心理や業界の動向、会社の状況など、事業や顧客にまつわる定性的な理解を深めることが大切です。これらのスキルを身に付けて、はじめて事業の成果を結びつける深い解析をすることができます。

解析の領域も、サイトなどの「アクセス解析」だけではなく、より上流に位置する「ビジネス解析」「ウェブマーケティング解析」のスキルも必要です。

1.ビジネス解析
市場や競合他社に関する調査データや、商談率や受注率、売上などの事業プロセスに関するデータの分析

2.ウェブマーケティング解析
ソーシャルメディア解析や検索サイトにおける検索トレンド(キーワード解析)、視聴率調査結果などから得られるアクセス解析以外のインターネットのデータによる解析

3.アクセス解析
オウンドメディアと呼ばれる、自社で運営するウェブサイトやアプリから得られるアクセス解析を含むデータの解析

こうした幅広い知見があって、はじめてウェブ解析士としての仕事ができるようになります。

試験の概要と勉強方法

田実先生からウェブ解析士試験の概要や勉強方法について説明がありました。

■試験概要
・試験期間 : 2週間(期間内に1回だけ受験可能)
・受験方法:オンライン受験(受験開始すると途中で止めることはできません)
・試験時間:120分
・問題数:50問(全て4択問題、正解1問)
・合格ライン:正解率70%以上で合格
・備考:公式テキスト、問題集、講座資料、メモ、電卓(計算機能)持込可

また、学習の進め方についても、ウェブ解析士協会が発行している公式テキストの効率的な使い方の他、練習問題に挑戦できるオンラインシステムの紹介など、有益なアドバイスを受けることができました。

私も数年前に受験したのですが、その時の試験時間は60分だったので、約1問1分ペースで回答していったのを覚えています。特に模擬試験も練習していなかったので、試験本番では最後まで間に合うかどうかが一番心配でした…。これから受験に臨む方は、反復勉強をした上で、試験慣れのための模擬試験を実践し、自信を持って試験に臨むことが合格への鍵になりますね。

試験範囲の解説とGA4演習

全体で500ページ近くある公式テキストを、1日で解説いただくことは難しいため、各章のポイントを絞って効率的に教えていただきました。

・第1章 ウェブ解析と基本的な指標
・第2章 事業戦略とマーケティング解析
・第3章 デジタル化戦略と計画立案
・第4章 ウェブ解析の設計
・第5章 インプレッションの解析
・第6章 エンゲージメントと間接効果
・第7章 ウェブサイトの解析
・第8章 ウェブ解析士のレポーティング
・GA4を使った解析演習

ここで詳細について説明はしませんが、各章の概要とキーワードをわかりやすく解説いただき、解析士試験の全体像を把握できました。

またGA4の演習では、実際に過去に出題された問題をベースに、GA4の管理画面を操作して答えを導くデモンストレーションを実施していただきました。受験するスタッフにとっても非常に参考になったのではないでしょうか。

ウェブ解析士は、ユーザー分析、市場分析、競合分析、自社分析など幅広い視点を持ち、事業の課題を解決していく仕事です。

当社の場合は、お客様の事業課題について、改善策を提案する立場にあるため、お客様に寄り添って、共に事業拡大を実現できるパートナーとして取り組むことが求められます。

今後はAIが発展していくと予想され、数値的な分析はAIに任せることができるようになると思います。

人間がすべきことは、適切な問いを立て、適切な目標を設定し、それをAIと共有した上で、改善策を導き出すこと。

将来的には、世界中がオンライン化する中で、メタバース空間のデータを解析する仕事も増えていくのではないでしょうか。もしかしたら解説ツール自体は陳腐化し現段階でツールの使い方を細かく身に付けることは意味を成さないかもしれません。しかし解析をする上で基本的な視点を身に付けておくことは、役に立つことは間違いありません。当社のスタッフも、試験合格に向けて頑張ってほしいですね。

次回は、「SNS広告の最新動向1(Facebook/Instagram)」です。

SNSを含むウェブ広告では、各メディアとも「機械学習」が主流になり、ターゲティング、クリエイティブ、運用について、これまでと大きく変わってきています。「機械学習」をどのように使っていくかを中心に、各種SNS広告、検索広告、動画広告、ディスプレイ広告など、セミナーを複数回に分けて開催予定です。お楽しみに!

<田実先生のプロフィール>
田実 日出翁(たじつ ひでお) ウェブ解析士マスター。総合広告代理店で約30年もマスマーケティングとWebマーケティングのプランナーとして従事し、2018年ウェブアクセル合同会社を創業。マスとWebの両方に通じているマーケティングプランナーとして、「お客様の成果にコミットする」をモットーに、戦略立案から制作・運用・解析、人材育成まで幅広く活動。大手広告代理店や大手新聞社など、数多くの企業でセミナー講師を務めている。ノース・ヒル顧問。

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