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ノース・ヒルでは、毎月1回、
デジタルマーケティングの専門家、
田実 日出翁先生をお招きし、社内セミナーを開催しています。

スタッフのデジタルマーケティングのレベルを高めることを目的に、
毎月テーマを変えて、仕事に役立つ情報を提供しています。

今月のテーマは、いま世界中で話題の「ChatGPTを広告制作に使ってみた」です。

ChatGPTのメリットと課題

まずセミナーでは、ChatGPTとは何か、概要と仕組み、ChatGPTをめぐる世界の動きなどについて説明がありました。
そして今までの生成AIとはどう違うのか、メリットと課題についてもご紹介いただきました。

〇従来のAlより優れている点
・人間らしさ・・・自然な文を生成でき複雑なタスクを実行可能、新しいユースケースの開拓
・低コスト・・・事前学習不要、誰でも利用可能
・容易な導入・・・APIの公開により第三者の事業者が気軽にサービスに組込み可能

高い言語処理能力と、一定レベルの知識、高度なアライメント(倫理的で心地よい回答)を持ち、まるで人間と会話するような高水準の対話が可能。アイデア出しや戦略案、相談・コーチング、要約、翻訳、ライティング、コーディングなど、幅広い活用領域が考えられています。

〇ChatGTPの課題
・Hallucination(幻覚)・・・自覚なく堂々とウソをつく、利用者が見極めないといけない
・言語化の難しさ・・・完璧な質問をするのは難しい、質問する人の文章力や知識に依存する
・セキュリティリスク・・・学習に使われる情報漏洩リスクやプロンプトインジェクション

「Hallucination(幻覚)」というのは、例えばChatGTPに「小説・坊ちゃんの冒頭の段落を引用し、評論してください」などと指示を出すと、全く無関係の話をアウトプットするケースがあるようです。

また「言語化の難しさ」というのは、漠然とした質問をChatGTPに投げかけた場合、ありきたりな一般論で答えてきて、あまり役に立たないことがあるそうです。人間では出てこないような新たな発見がある回答の方が、やっぱり「おっ!」と思い ますよね。

「セキュリティリスク」に関しては、サイバーセキュリティ企業が行った最近の調査では、3.1%の人が1度は会社の機密情報をChatGPTに入力していることが明らかになっているようです。

このようなChatGPTの特性をしっかり理解した上で、仕事への活用や、サービスの開発に臨む姿勢が重要であると説明がありました。

ChatGPTの基本的な使い方

ChatGPTの基本的な使い方として、プロンプトの書き方についてご紹介いただきました。プロンプトとは、ChatGPTが応答を生成するための命令文のこと。いかに良いプロンプトを書くかによって、ChatGPTからの回答の質が変わってきます。

その中で、Note株式会社CXOの深津貴之さんが考案した「深津式 プロンプト」についてご紹介いただきました。

(※画像はnote 公式YouTubeより引用)

ChatGPTに「あなたはプロの編集者です」と明確な役割を与え、何を出力するのか、制約条件を箇条書きでわかりやすく指示を出します。そうすることで質の高い回答を得られる可能性が高まります。
このような構文を使った事例や、他にも英語で質問した方がよりよい 回答が得られる可能性が高い点など、事例を交えながらご紹介いただきました。

次に広告制作やWEBサイト制作におけるChatGPTの活用方法について解説いただきました。
下記のような内容について、実際にChatGPTを使いながらセミナーが展開されました。

・キャッチコピーを考えてもらう
・製品・サービス名を考えてもらう
・リスティング広告の広告文を考えてもらう
・プレゼン資料の構成を考えてもらう
・キャンペーンのアイデアを考えてもらう
・ランディングページのコンテンツを考えてもらう
・プログラムのコードを考えてもらう

深津式プロンプトを使用した構文を具体的に作成し、ChatGPTにさまざまな質問を投げかけていきました。具体的な回答についてChatGPTからもアウトプットがあり、人間による精査は必要かと思いますが、使える内容のものもありました。

キャッチコピーに関しては、ChatGPT はWEB向けのコピーは早くて質も良く得意な領域だと感じました。一方で人間ならではの独創的な発想を要するコピーは、人間にしか書けないなと感じました。特にキャッチコピーの書籍などに掲載されている、往年の名コピーライターの方々が生み出した、すごい角度から言葉を組み合わせて創られた名キャッチコピーは、ChatGPTにはまだ難しそうという印象です。

ChatGPTのプラグインとAPI

ChatGPTの機能を拡張させる、さまざまなプラグインについてご紹介いただきました。2023年3月に初めて公開されて以来、5月末時点では70以上のプラグインが利用可能となっているようです。
詳細は割愛しますが、例えば「WebPilot」というプラグインは、WebページのURL情報をChatGPTに貼り付けた上で指示を出すと、そのページを参照し、その内容を踏まえて回答してくれます。ChatGPTがインプットしている知識は2021年9月までのものであるため、プラグインの導入無しでは、過去の情報しか参照できません。しかしWebPilotを入れることで、最新の情報を参照して回答をもらえます。

また「ChatGPT API」についても解説いただきました。
ChatGPT API とは、ChatGPTを使用して、開発者が自然言語処理を行う際に使われるAPIのことで、使用するとChatGPTの能力をアプリケーションやサービスに組み込むことができます。
ChatGPT APIの基本的な機能や、課金の仕組み、利用条件やアクセスするために必要な認証情報である「APIキー」の取得方法について説明。2023年3月にChatGPTのAPIが公開され、ChatGPTが組み込まれた外部サービスなどの紹介もありました。

最後に、さまざまな企業のChatGPTの活用例について紹介いただきました。
ChatGPTを活用して制作したWebCMの事例や、大手広告クリエイティブ会社の活用例、ECサイトや法律相談サイトでの活用例など、さまざまな企業が積極的に導入しています。今後もしばらくは、こういった流れが続くのではないかと予測しています。

次回は、ChatGPT以外の様々な「生成AI」に関連する内容の予定です。お楽しみに!

<田実先生のプロフィール>
田実 日出翁(たじつ ひでお) ウェブ解析士マスター。総合広告代理店で約30年もマスマーケティングとWebマーケティングのプランナーとして従事し、2018年ウェブアクセル合同会社を創業。マスとWebの両方に通じているマーケティングプランナーとして、「お客様の成果にコミットする」をモットーに、戦略立案から制作・運用・解析、人材育成まで幅広く活動。大手広告代理店や大手新聞社など、数多くの企業でセミナー講師を務めている。ノース・ヒル顧問。

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